結論:稼ぐ前に「やらないこと」を決める。
この10ルールを守れば、初期の“失敗コスト”をほぼ封じ込められます。特にFX(レバレッジ短期売買)は非推奨。欧州規制当局の分析ではCFDの個人投資家の7〜9割が損失、英国でも約8割が損失という公式発表が続いています(のちほど根拠を詳述)。esma.europa.eu+2esma.europa.eu+2
目次
まずは全体像(投資の優先順位)
①生活防衛資金 → ②高コスパの長期投資(NISA×インデックス) → ③余裕資金での上乗せ。
“やらないこと”を先に固めると、誘惑にブレず積み上がる。以降の10ルールは、そのためのストッパーです。
“やらないルール”10
1)借金・リボ・ボーナス払いで投資しない
- NG:クレカのリボ残高があるのに投資。
- 理由:金利10〜15%は市場平均リターンを食い潰す“逆複利”。
- 代替:まずは負債の雪だるまを止める → 生活防衛3〜6か月分を現金で確保。
2)生活防衛資金ゼロのまま始めない
- NG:突然の出費で投資を解約→“高値買い・安値売り”の温床。
- 代替:普通預金や貯蓄用サブ口座に3〜6か月分を先取り。
3)一括ドカンはしない(時間分散が基本)
- NG:ボーナス一括“勝負”。
- 理由:入口タイミングの外れは致命傷。
- 代替:毎月(毎週)積立の機械化で、感情を排除。
4)“理解不能な商品”は買わない
- NG:仕組債・複雑デリバティブ・アルト乱打ち。
- 代替:「中身を図解で説明できるか?」で判定。できなければやらない。
5)高コスト商品は持たない(手数料0.1%の壁)
- NG:信託報酬1%超の投信、買付手数料、毎月分配型。
- 代替:低コスト指数連動(全世界・米国など)+長期保有。
6)SNSの“勝ち自慢”に乗らない
- NG:未検証の情報で売買。
- 代替:一次情報>統計>自分の方針の順に意思決定。
7)NISAを埋める前に投機しない
- NG:レバ商品・信用・オプションが先。
- 代替:まずNISA×インデックス積立を自動化。
8)リスク許容度を測らずに買わない
- NG:下落10%で眠れないのに株100%。
- 代替:株:債券:現金の比率を“夜ぐっすり”基準で決める。
9)ノールール運用をしない(売買基準なし)
- NG:なんとなく買って、なんとなく売る。
- 代替:買う基準/売る基準/積立停止条件/再開条件を事前に文字化。
10)レバレッジ短期売買に近づかない(特にFX)
- NG:証拠金ギリギリ、ナンピン、損切りなし。
- 理由:マイナスサム(スプレッド・手数料)×高レバ×人間のバイアスで負けやすい。
- 代替:現物×長期×分散。短期は“遊びのごく一部”でも、基本はやらない。
なぜ「FXはやめとけ」なのか(データで確認)
- 損失割合が高止まり:EUの規制当局ESMAは、CFDの個人投資家の74〜89%が損失と明言。これは加盟各国の監督当局の分析に基づく数字で、平均損失額のレンジも公表されています。esma.europa.eu+1
- 英国でもほぼ同じ傾向:FCA(英国金融行為監督機構)は**「約80%が損失」**と繰り返し注意喚起。だから販売・広告規制も強化されています。FCA+1
- 構造的に不利:為替はプロ同士の“相対戦”で、個人はスプレッド・スリッページ・ロスカットで不利。日本の金融庁も店頭FXは相対取引で、約定が投資者に不利となるおそれなどリスクを明示しています。金融庁
- 強制ロスカット/追証のプレッシャー:証拠金が一定水準を割ると自動的に強制決済(ロスカット)。ルール上は未収金を防ぐ仕組みですが、荒相場で一気に資金が飛ぶ典型パターンです。金融庁
- 短期売買の厳しさは学術的にも:大規模データで個人のデイトレの多くが継続的に損失という研究は複数あり(台湾市場の有名研究など)、**“頻繁売買は不利”**は頑健な知見です。faculty.haas.berkeley.edu
まとめると――“期待値マイナス×高レバ×人間のバイアス”=資金が溶けやすい。初心者ほど近づかないことが最適解です。
初心者の行動テンプレ(これだけやればOK)
ステップ0:家計の土台
- 生活防衛資金 3〜6か月分を別口座へ。
- 高金利負債を最優先で返済(リボ・カードローン等)。
ステップ1:口座と積立を自動化
- 証券口座+NISA設定 → 全世界 or 米国の低コスト指数を毎月(できれば毎週)積立。
- 積立比率:例)株70/債券20/現金10(あなたの“夜ぐっすり”基準で調整)。
ステップ2:運用ルールを一枚に
- 〈買う基準〉〈売る基準〉〈積立を止める条件・再開条件〉〈リバランス方針(年1回±5%超で実施)〉を箇条書きで固定。
- SNSは参考、一次情報で最終確認の順番に。
ステップ3:やらない宣言を貼る
- 一括勝負しない/レバ短期やらない/高コスト買わない/理解できないものは買わない――をデスクトップの付箋に。
よくある質問(FAQ)
Q1:FXは少額・低レバなら練習になる?
A:練習になりにくいです。期待値がマイナスのゲームで「回数を重ねる」ほど統計的に負けに近づきます。公式データの損失割合はレバ規制後も高止まりです。esma.europa.eu+1
Q2:短期売買で勝てる人もいるのでは?
A:ゼロではないですが、継続して勝てる少数は統計的にごくわずか。学術研究でも多くの個人は長期的に負けます。再現性のない“武勇伝”に引きずられないこと。faculty.haas.berkeley.edu
Q3:代わりに何をすればいい?
A:現物×長期×分散×自動化が王道。NISAの低コスト指数に時間分散で積み上げ、年1回のリバランス。まずこれ以外はやらないと決めるのが近道。
まとめ
- “やらないルール”は最強の防御:①借金投資しない ②防衛資金なしで始めない ③一括しない ④理解不能は買わない ⑤高コスト持たない ⑥SNS鵜呑みにしない ⑦NISA優先 ⑧許容度を測る ⑨売買基準を文字化 ⑩レバ短期(FX)はやらない。
- FXは“構造的に不利”:公的データでも損失割合が7〜9割。強制ロスカットや相対取引の不利も重なる。初心者は近づかない。esma.europa.eu+2FCA+2
今日のアクション:証券口座でNISA積立を自動化し、この記事の10ルールをメモに固定。まずは**“やらない”を守る**だけで、投資はかなり上手くいきます。
参考・根拠
- ESMA(欧州証券市場監督局):**個人のCFD損失率74〜89%**の公表。esma.europa.eu+1
- FCA(英国金融行為監督機構):約80%が損失等の警告。FCA+1
- 金融庁:店頭FXの相対取引のリスク等の注意喚起。金融庁
- 学術研究:個人の短期売買の厳しさ(台湾の大規模研究など)。faculty.haas.berkeley.edu
※本記事は情報提供であり、特定の投資行為の勧誘ではありません。投資判断はご自身で、必要に応じて専門家へご相談ください。
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