【危険】S&P500と“オルカンだけ”はもう古い。2025年の正解は「偏り補正×複数エンジン」

お金

結論

  • S&P500もオルカン(MSCI ACWI)も“核”としては最強級。でも**それ“だけ”**は、2025年の相場ではリスクが偏りすぎ。
  • 主な根拠は3つ:
    1. 米大型テックへの“超集中”:マグニフィセント7のS&P500内ウエイトは37%前後まで上昇。局所ショックが指数全体に伝播しやすい。マーケットウォッチ+1
    2. オルカンも実は“米国偏重”:MSCI ACWIの米国比率は約64.7%。分散したつもりが「米国一本足」に近づきがち。MSCI
    3. 割高リスク:S&P500のシラーCAPEは約39–40台と歴史的高水準=将来の期待リターン低下を示唆。YCharts+1

まずは現実チェック:「分散したつもり」が危うい理由

  • S&P500の集中度が過去最高圏
    マグ7の指数内シェアが37%超の局面に。特定銘柄群の決算・規制・技術トレンドが市場全体の価格に直撃マーケットウォッチ
  • オルカン=“世界分散”でも米国が約65%
    MSCI公式の国別比率では、米国64.66%。残りを全部合わせても“非米国”は約35%。米ドル・米大型グロースへの依存が想像以上に大きい。MSCI
  • ACWIは世界の約85%カバー=小型株が抜けている
    ACWIは大型・中型で**約85%**のカバー。一方、**ACWI IMIなら小型まで含めて約99%**で、分散の“抜け”を埋められる。MSCI+1
  • バリュエーションの逆風
    シラーCAPEは39.5前後(2025年10月)。過去比較で高位=長期リターンの目減りリスクに注意。YCharts
  • 日本の個人投資家なら通貨・金利も無視できない
    10年JGB利回りは1.65%前後。国内金利の存在感が上がるほど、為替(円安/円高)とヘッジ有無で年次リターンの振れが増える。マーケットウォッチ

解決策=“核”は残しつつ「偏り補正サテライト」を足す

ねらい:米大型テック×米ドルへの集中を薄め、相関の異なる収益源を複数持つ。

  • 日本株(配当・バリュー寄り):通貨ミスマッチを抑えつつ、ガバナンス・インフレ定着の恩恵を狙う。
  • 先進国“非米国”×小型(ACWI IMI系):ACWIの穴(小型)を補完し、景気拡大局面の伸び代を取りに行く。MSCI
  • ファクター(バリュー/クオリティ/低ボラ):高バリュエーション期の守備力を底上げ。
  • 新興国の“選択的”上積み(例:インド比重UP/中国抑制など):世界成長の第二エンジン。
  • 金(ゴールド)5–10%目安ストレス時に相関が下がる/逆相関化しやすい実証が多数。株のショック吸収材として有効。World Gold Council+1
  • 広範コモディティ:インフレ再燃・供給ショックの保険。
  • グローバル債券(円ヘッジ中心):株式の“逆噴射時”の揺り戻し要員。ヘッジコストは金利差で変動するため機動的に

例:NISAでも組める「3つの配分テンプレ」(目安)

インデックスは同じ指数の最安コスト商品に差し替えOK/投資判断は自己責任で。

安定志向

  • コア(S&P500+オルカン合計)…50%
  • 日本株…15%/非米小型…10%/新興国…10%
  • 金…7.5%/グローバル債券(円ヘッジ)…7.5%

標準(おすすめ)

  • コア…40%
  • 日本株…20%/非米小型…15%/新興国…10%
  • 金…7.5%/グローバル債券…7.5%

攻め

  • コア…35%
  • 日本株…20%/非米小型…20%/新興国…15%
  • 金…5%/債券…5%

ポイント:米国×大型グロース依存を30–50%台へ薄め、**“多気筒エンジン”**で下振れ耐性を上げる。


FAQ

Q. S&P500とオルカンはやめるべき?
A. やめない。むしろ“核”。ただしそれだけはNG。集中・割高・通貨の3リスクが同時に高い今は、サテライトで偏り補正が時代適応策。
(マグ7の比率約37%、ACWI米国約64.7%、CAPE約39–40は最新データ。)マーケットウォッチ+2MSCI+2

Q. オルカンで十分に分散できていないの?
A. ACWIは約85%(大型・中型)。小型が未カバー→**ACWI IMI(約99%)**で分散の“最後の15%”を埋められる。MSCI+1

Q. ゴールドは本当に効く?
A. 平常時は弱相関、ストレス時に逆相関化の傾向。下落相場で分散効果が強まるのが金の特徴。World Gold Council

Q. いま円債を入れる意味は?
A. 10年JGBが1.6%台。ゼロ金利時代と違い、**株のボラを和らげる“受け皿”**として実効性が出てきた。マーケットウォッチ


“いま”の偏りセルフ診断

  • 自分の米国比率(オルカン内の米国含む)は60%超? → 要補正。MSCI
  • 小型株の比率は? → ACWI IMI系で補完を検討。MSCI
  • **金(5–10%)**で“急落時の相関低下”を仕込んだ? World Gold Council
  • 円ヘッジ債券で“逆噴射時”のクッションを用意?
  • リバランス日(半年~年1回)をカレンダー登録した?

主要データ出典(更新系のみ抜粋)


最後にひと言

“最強の核 × 偏り補正”=生き残るポートフォリオ。
S&P500/オルカンは責めない。ただ**“それだけ”をやめる**。——これが2025年のアップデートです。

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