データは2025年9月30日(JST)時点の公表情報に基づきます。投資判断は自己責任でどうぞ。
なぜ、いま「インド」なのか?(3分で要点)
- 成長率:IMFはインドの実質GDP成長率を2025年に6%台前半と見込む(4月WEOで6.2%、7月更新で6.4%)。高成長が続く前提です。 IMF+1
- デジタル基盤(UPI):インドの即時決済「UPI」は2025年8月に月間約200億件/約24.85兆ルピーを処理。キャッシュレスの裾野が急拡大し、消費・中小事業者の効率化を下支え。 npci.org.in
- 製造業シフト(PLI):生産連動型インセンティブ(PLI)で、エレクトロニクス等14分野をテコ入れ中。政府広報でも主要分野の投資・採択が示され、裾野拡大が進む。 広報局+1
- 人口動態:中央値28.8歳。消費・住宅・金融包摂の長期ドライバー。 Worldometer
補足:世界株のベンチマーク(MSCI ACWI)では新興国全体の比率が約10%。MSCI新興国の中で**インドの比率は約17%**まで上昇しており、ACWI全体で見るとインドは概算2%前後と推定されます(=20%配分は大胆なオーバーウェイト)。※新興国10.42%×EM内インド16.9% ≈ 1.8%(推定)。 JustETF+1
リスクと留意点
- バリュエーション:足元のNifty50のPERは20倍台前半。成長継続が前提の水準です。 Screener
- 為替:INR(インドルピー)への通貨エクスポージャー。円ベースでは円高局面で目減りし得ます。
- 政策/規制:関税・キャピタルフロー規制・選挙サイクル等でボラティリティ。
- セグメント差:小型株は値動きが大きい(上振れも下振れも)。スマートベータは指数との乖離を理解して採用。
主要「インド株」ETF 比較(用途別に“どれを選ぶか”)
用途/タイプ | ティッカー | ベンチマーク/戦略 | 経費率 | 特色・向く人 |
---|---|---|---|---|
コア(USD/低コスト) | FLIN | FTSE India 30/18 Capped | 0.19% | 低コストで広く。USDで運用する人のコアに。 フランクリン・テンプルトン+1 |
コア(USD/王道) | INDA | MSCI India(大型・中型) | 0.62% | 流動性・情報量が豊富。 BlackRock+1 |
大型株シンプル | INDY | Nifty 50(大型) | 0.65% | メガキャップ中心で分かりやすい。 Yahoo!ファイナンス |
スマートベータ(利益加重) | EPI | WisdomTree India Earnings | 0.84% | バリュー/収益性に寄せたい時の“味付け”。 ウィズダムツリー |
スマートベータ(GARP) | GLIN | MarketGrader Growth Leaders | 0.76% | 成長+質を選別。 ETF & UCITS Fund Manager | VanEck |
小型株スパイス | SMIN | MSCI India Small Cap | 0.75% | 高ボラ許容で上振れ狙い。 BlackRock |
小型株スパイス | SCIF | MVIS India Small-Cap | 0.83% | 小型集中の別指標。 ETFデータベース |
セクター特化 | INDF | Nifty Financial Services | 0.65% | 金融厚めの味付け。 モーニングスター |
円建てワンストップ | 201A(東証) | Nifty50(円建/配当込) | 0.385% | 日本時間×円建て×NISAで扱いやすい。 BlackRock+1 |
円建て老舗 | 1678(東証) | Nifty50(円換算) | 1.045%以内 | 歴史長いがコストは高め。 NEXT FUNDS+1 |
メモ:Nifty50のPER水準は割高/割安の目安に。20倍台前半は“期待が織り込み済み”のゾーン、リバランス基準に活用すると◎。 Screener
インド株「投資信託」比較(積立/NISA向け)
タイプ | ファンド名 | ベンチマーク | 信託報酬(概算・税込) | ポイント |
---|---|---|---|---|
低コスト・MSCI系 | SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス(サクっと) | MSCI India を目指す | 約0.31% | つみたてしやすい低コスト。 SBIアセットマネジメント+1 |
低コスト・MSCI系 | iFreeNEXT インド株インデックス | インド株インデックス | 0.473% | 取扱広く使い勝手◎。 楽天証券 |
低コスト・Nifty50系 | 楽天・インド株Nifty50インデックス | Nifty50 | 0.308% | Nifty50に一本化したい人向け。 楽天証券 |
コスト改定で注目 | auAM Nifty50インド株ファンド | Nifty50 | 0.297% | 2024年に低廉化アナウンス。 KDDI AM |
どれを買えばいい?──タイプ別おすすめ3プラン(オーバーウェイト前提)
A. 円建て超シンプル(売買は日本時間・NISA使いやすさ重視)
- 201A(東証 iシェアーズ Nifty50)100%
- 1本で運用・管理がラク。為替ヘッジはなし(長期は基本ヘッジ不要)。 BlackRock
B. USDコア+スマートベータ/小型スパイス(やや攻め)
- FLIN 60%+INDA 20%+EPI 10%+SMIN 10%
- 低コストのFLINを土台に、INDAで流動性、EPIで利益加重の“質”、SMINで小型の伸び代を少量。 BlackRock+3フランクリン・テンプルトン+3BlackRock+3
C. 投信オンリーで積立(ポイント/自動積立派)
- SBI・iシェアーズ 50%+楽天Nifty50 50%
- MSCI系とNifty50系を1:1でブレンドし、指数偏りを緩和。 SBIアセットマネジメント+1
リバランスの考え方:年1–2回、もしくは目標比率から**±25%(相対)外れたら実施(例:インド20%なら15–25%で調整)。急落時は段階的な押し目買い**で平均取得単価を平準化。
よくある質問(Q&A)
Q1:EPIは“微妙”?
A:微妙ではなく“特徴的”。利益加重=バリュー/収益性バイアスを取りに行く設計で、コア(FLIN/INDA)に10–40%添える“味付け”がハマります。コストは0.84%と高めなので厚くし過ぎない運用がコツ。 ウィズダムツリー
Q2:小型株(SMIN/SCIF)は必要?
A:必須ではないが“効くときは効く”。ボラが大きいので10–20%以内のスパイスが現実的。 BlackRock+1
Q3:全世界(ACWI/VT)と重複しない?
A:重複します。全世界の中のインドは一桁%に過ぎません。別建て20%は強い上乗せになるので、全体のリスク許容度と相談を。 JustETF
さいごに(運用のコツ)
- 商品整理:米国や全世界ETFを持つ場合、「コア(FLIN/INDA or 201A)」+「スパイス(EPI/SMIN)」で本数を絞ると管理しやすい。
- 通貨:生活費はJPY、株式はUSD/INRエクスポージャーで自然ヘッジ。
- 規律:上がっても下がってもルールベースでリバランス。
- 税制:NISA/課税口座の枠・損益通算を考慮(詳細は各社目論見書/ガイドで確認)。
参考ソース(主要)
- IMF WEO(2025年4月/7月更新・インド成長率) IMF+1
- NPCI(UPI統計・2025年8月) npci.org.in
- PLIスキーム(政府広報/各省発表) 広報局+1
- MSCI/justETF(ACWIのEM比率、時価総額ウェイトの文脈) JustETF
- MSCI新興国におけるインド比率(参考報道) Reuters
- Nifty50のPER水準(2025/09) Screener
- 各ETF/投信の公表資料(経費率ほか)
- INDA BlackRock+1 / FLIN フランクリン・テンプルトン / EPI ウィズダムツリー / SMIN BlackRock / SCIF ETFデータベース / PIN Invesco
- 201A(東証) BlackRock+1 / 1678(東証) NEXT FUNDS
- SBI・iシェアーズ(サクっと) SBIアセットマネジメント / iFreeNEXT 楽天証券 / 楽天Nifty50 楽天証券 / auAM Nifty50 KDDI AM
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