結論だけ先に。
R>Gの世界では、資産形成の勝敗は「年収」より「入金額(入金力)」で決まりやすい。
理由はシンプルで、資本が増える力(R)を回すには“元手=入金”が必要だから。
R>Gをざっくり一言で
ピケティ(トマ・ピケティ)が『21世紀の資本』で有名にした見方が R>G。
- R(Return):資本の収益率(株・不動産・事業など)
- G(Growth):経済成長率(賃金の伸びや社会全体の成長)
そして、R>Gが続くと「資本を持つ側」が有利になり、格差が広がりやすい——という問題意識につながります。
ピケティの主張は、IMFの研究でも次のように要約されています。
“whenever the difference between the returns on capital (r) and the output growth rate (g) increases, the share of capital in national income increases.” IMF
さらに、R>Gはピケティの議論の中心で、次の表現が引用されています。
“the fundamental force for divergence” Gates Notes
(=ざっくり言うと「富が偏りやすくなる根本の力」)
R>Gを個人に落とすと「年収より入金力」が強い
ここが本題。
個人がコントロールできるのは、主にこの2つだけ。
- 入金額(投資に回す金額)
- 継続年数(時間)
R(利回り)やG(賃金の伸び)は、ある程度“外部要因”。
でも、入金額×時間は自分で増やせる。
だから結局こうなる。
労働収入(年収)を増やす努力より
入金額を増やしてRを回す努力の方が、ゆるく効果最大化しやすい
「G(賃金の伸び)」が強くない現実もある(日本の例)
日本はここ数年で名目賃金が伸びても、物価上昇で実質賃金が伸びにくい局面がありました。
OECDの国別ノートでも、次のように整理されています。
“From Q1 2021 to Q1 2025, real wages cumulatively declined by 2%” OECD
(※名目賃金の伸びがあっても、インフレで相殺されることがある、という文脈)
つまり、給料(G)だけに期待すると時間がかかる。
だからこそ、先に入金力を作ってRを回す方が現実的、って話です。
【表】入金額の差は、未来の差(例:年率5%・毎月積立)
前提:年率5%で毎月積立、税・手数料は無視(イメージ用)
| 毎月の入金額 | 10年後 | 20年後 |
|---|---|---|
| 3万円 | 約466万円 | 約1,233万円 |
| 10万円 | 約1,553万円 | 約4,110万円 |
ポイントは「利回り自慢」より、入金が大きい方が強いこと。
(そして複利は“増えた分”にも乗るので差が広がる)
研究でも「r>g」は“上の層ほど強い”が示唆される
世界不平等研究の文脈でも、資産規模が大きいほど有利になりやすい話は出てきます。
World Inequality Lab(WID)のワーキングペーパーは、ノルウェーのデータで
“the aggregate R − G … underestimates its micro counterpart r − g for the top 40%” WID – World Inequality Database
と述べています。
難しく聞こえるけど、超訳すると
- 資産が大きい層ほど「r>g」が強く出やすい
- つまり、元手(入金)を早く作った方が有利になりやすい
という示唆として読めます。
入金力を上げる「最短3ステップ」
先取りで入金(投資を“残り物”にしない)
× 余ったら入金
○ 最初に入金、残りで生活
- 給料日に自動積立
- もしくは自動振替
固定費を削る
優先順位はこれ。
- スマホ
- 保険
- サブスク
- 車
- 光熱費プラン
入金ルール化
例:
- 毎月:手取りの20%を入金
- ボーナス:50%入金
- 副収入:原則100%入金
まとめ:勝ち筋は入金力を上げること
- ピケティのR>Gは、資本の増え方が賃金の伸びを上回りやすい世界観
- IMFの整理でも、r−gが広がるほど資本の取り分が増える、と要約される IMF
- だから個人は「年収」より先に、入金力を作る方が早い
- 入金力は、先取り×固定費×ルール化で“ゆるく効果最大化”できる
免責
本記事は情報提供を目的としており、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。


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